目はレンズなので、

見えるものは全て見える。

見えてはいるが、

見えないものも沢山ある。



2024年 3月16日

暖かい空気。気持ち良い風。


蜂蜜を買いにいく話しだった。去年、最後に行った時に、山形の蜂蜜屋で薬草蜂蜜の大きい瓶を4本買っておいた。これで、今年の冬は乗り切れるはずだった。そして、そういうことは、そう上手くはいかない。最後の1本の残りが少なくなってきた。


3月になったので、慎重にいけば、朝日町まで買いに行けるかなと考えていた。とにかくそう上手くはいかない。蜂蜜は無くなってしまった。近くの農協の直売所で、丸森の蜂蜜を売っていた記憶がある。差し当たって、それを繋ぎに、と思った。丸森までは、車で一走りだ。で、友人のKに車(彼女のは軽だ)を出してもらって、一緒に丸森に蜂蜜を買いに行くことにした。


まず齋理屋敷の向かいにある丸森物産館で丸森の蜂蜜を1瓶買った。よくみると、それは丸森耕野の蜂蜜だった。時間がまだあったので、その蜂蜜屋さんに行ってみることにした。丸森は広く、山と、森だ。ということに、後で気付く。でも、ものすごく面白かった。


先ず耕野の町民センターを目指す。物産館で広い道ずうっと行けば着くから、と聞いた。耕野は、昔の踏分け山道が未だに生きている。基本、そういう道は人の家に着く。それぐらい家がまばら。そういう未舗装系の道を縦横無尽に舗装された新しい(名前のついた)幹線道路が横切る。昔からある道は、基本的に昔からの神社を結ぶ。それらは全て山道を伝うから、道は、狭く急。どれが広い道なの?オートマチックの車のギアはローに入ってうなりを上げる。ほとんど人家がないので、人に道を聞くこともままならない。いやあ、面白そうでしょう!

やっと人が見えた人家を見つけ、そこにいたおじさんーと言っても、僕の方がずうっと年寄りなのだがーに聞いたのが間違いだった。この道の先のT字路を右に曲がって、まっすぐ行けば着くよ、云々。とは言え、道が、そもそも蛇のように細く、くにゃくにゃなのがT字路になる。ここT字路なの? ここで曲がっていいの? こういう道を右に曲がるとどうなるか。暫く行ってからまた別れるところが出てくる。ううむ。一体ここはどこだろう、になる。軽で来てよかった。軽でないと行けないのだった。日本の昔の道路は、軽で作ってある。

本当は、わかったふりしないで、言われた通りに舗装された太い道を、遠周りを気にせず巡っていけば、町民センターの前に出るのだった。そこで、やっと、地域の「紙の」地図が手に入った。そこで、山の上にあると教えられた蜂蜜屋さんのあり場所を聞く。で、外に出ると、蜂蜜屋さんコチラという大きな看板。それ以降は、曲がり角毎にその看板。いやはや。みんな来ていて、そして、多分、苦労してんだな。


何はともあれ、丸森耕野の石塚蜂蜜園に到着。そこにはそこの周りにある花の蜂蜜があった。ここは丸森だから、先ず柿、そして蕎麦。確かにそれらの花は知っている。でも、柿の花からここにある瓶いっぱい分の蜜を蜂は集めて来るのだ。いやはや。取り敢えず、その柿と蕎麦の蜂蜜を買った。その後、先ずはともあれ、そこで話を聞きつついくつかの蜂蜜を購入し、直行で国道349号に出て(と思って)帰宅。

と思ったら、いつしか福島県に入っていて、慌ててUターン、とかいう話は、また、別の話だ。何はともあれ、再び三度、面白い行き当たりバッ旅であった。今度は2CVで蜂蜜を買いに行こう。もう少し暖かくなったら。うまく曲がれるかなあ。