2008年 4月1日 何しろ風が強い。澱橋から吹き飛ばされそうになった大学生を見た。でも、春。

 新年度が始まった。この週末金沢にいた。昨日帰って来て今日から美術館。人ごとのような感じで、今日から僕は教育普及部長になった。

 金沢には、金沢市民芸術村に呼ばれていって、都合3日間いた。仙台を8時に出て金沢には1時半過ぎに着く。去年の夏の大原美術館と同じように、そこで行われているいわゆるワークショップの点検と展開の検討。芸術村での活動は、ワークショップの(理解の)ためのワークショップ。ほとんど講義。よい質問が出ると、よい答えが話せる。活動以外のほとんどの時間を21世紀美術館で過ごした。大原の時もびっくりしたけれど、今回も呆然とびっくり。美術館ってそもそもなんなんだろうを、各自が一生懸命考えた答えがここにもあった。金沢はまわりを含めて、もう少し暖かな頃に車でゆっくり行って10日とかゆっくりお散歩すべき所だった。僕が歩いたすべての所が散歩用にわざわざ作ったみたいな街だった。道が一カ所も直交していない。路面電車はないが、きれいな水が音を立てて流れる堀が縦横に横丁を流れる。いやはや、見なければいけない日本は、まだまだたくさんあるなあ。
 28日にあった館の送別会の時、僕は、今年転勤することになった少し年上の人にほとんど理由のない喧嘩を理不尽に突然売って、あわやつかみ合いというような事件を起こした。その人は確かに、すごく公務員風な人だったとはいえ、普通には世話になったとしか言いようのない面倒を見てもらっていて、なぜあんな風になったのか、未だにわからない。カアーっと頭に血がのぼって、なんだか興奮している最中から「あれ?俺はいったい何をしているんだろう」と考えている自分がいて、感じとしては、むしろ自分自身が怖かった。なぜああなったのだろう?ということを、ずうっと考えながら金沢を歩いていた。アルツハイマーの初期症状に、確かこういう症状があったのではなかったろうか。寒くはないが、冷たい雨が降っていて、不思議な重い旅だった。金沢は、たぶん歩き直さないといけない。