今年も、某女子大保育科での授業が始まった。去年あたりから、カリキュラムは固定され始めてきたが、もちろん、毎年違う人たちなので、今年は今年。また少しずつ今年の報告をしようと思う。年度が替わって人が動き、来る人行く人、感慨深いモノがある。
このブログからとべる「お父さんのひとりごと」は、本来自費出版の小さな本で、出版とほぼ同時に売り切れてしまった。売り切れた後から、私もほしいという人が沢山出てきたので、ブログで公開することにした。なにしろ、僕の手元にも、使い込んだのが2冊しかない。その内の程度の良い方の一冊を、前に借りていって読んだ人が返してくれたときにありがとうと作ってくれた専用の皮袋に入れて、ぜひ読んでもらいたいと思った新米のお母さんに貸したのだが、返ってこない。そういえば、あの本、返ってこないなと気になってから考えると、今回貸したその人は、美術館によく来ていた人で顔はすぐ思い出せるのだが、名前をはじめとして、どこの何の誰なのか、まったく僕は知らないのだった。何と言うことだ。又思えば、彼女は、国家公務員宿舎に住んでいると言っていた。おう、と言うとは、もしかすると、この春の人事異動で、転勤してしまったということも考えられるではないか。本の運命ということについて、僕は、西の(公務員宿舎は、美術館の西隣なのだ)空を見上げながら、しみじみするのだった。今年の夏、大原美術館に行く用事ができそうなのだが、倉敷の古本屋であの本に巡り会ったりしたりしないものかなあ。そういう時って、どんな感じなんだろう。頭の中の世界は、どうでもいいような、しかし波瀾万丈の方向に、広がっていくのだった。