2009年 5月11日 初夏というより、春の終わりの曇りの日。体を冷やさないようにしよう。

一日家にいた。思えば、しばらくぶりだ。あまり活発に動き回れないため、静かに過ぎる一日について記録しておこう。



先週の金曜日、仕事中、創作準備室で少しボオッと考え事をしていたら、部屋の反対側の電話がなった。丁度そのとき部屋には誰もいなかった。みんなそれぞれの仕事で美術館の他の所に出かけていたので、僕はお留守番だったのだ。急いで取りに行こうと急に立ちあがったら、脳内出血以来なんとなく麻痺している左足に感覚が戻らなかった。で、踏ん張りきれずにこけかけた。すっかり転けるまではいかなかったのだが、左足を内側にねじってしまって、足首にグキッと嫌な痛みがはしった。相当動揺しつつ、なんとかケンケンで呼び出し音が鳴り続ける電話にたどり着き、受話器を取り上げると、ま、こう言う時は得てしてそうなることが多いが、電話は切れた。すると、足首の痛みが一挙に襲って来て、あわてて手近の椅子に腰を下ろした。こういう時の手近にある椅子は、普通のものでないことがママ有る。座った椅子は、仲間のうちで、最も電脳度の高い人が電脳に長い間対峙するために家から特別に持って来ているもので、軽く移動するに適した足を持っていた。ということはだから、不安定な足でケンケンして来て動揺したまま斜めに腰を下ろしたりすると、一も二もなく転倒しやすいということだ。ということを実は状況から後で想像したことで、本当の僕の記憶は、足首がひどく痛い、こりゃやばい、早く足首から力抜かなきゃなんないからどっかに座らないと、の次は、なぜか床に頭をぶち当て眼鏡がとんだ状態で、床に横たわって寝ている状態から見ているすごく低い位置から見上げたピントの合わない創作準備室の天井だったのだ。その途中の記憶なし。一瞬だったが、何がどうなったのか自覚するのに時間がかかった。
深く広く動揺しつつ、ゆっくり立ち上がり、転がっている椅子の隣のしっかりした布のソファーに深く座り直した。一気に汗が噴き出して来て、シャツの袖で額の汗が拭けるくらい。気持ちが悪くなってくる。はきそう。さしあたって、左手を握ったり開いたりしてみて何回か動かし、脳神経系障害ではないことを確かめ、ベルトを緩めて、のど元のボタンを外し、深呼吸。もう一度深呼吸。深く息を続けながらソファにグダッと座る。しばらくそのままグダグダしながら、シャツを脱いだり手ぬぐいで汗を拭いたりしていたら、吐き気と冷や汗は少しおさまった。そしてその頃に、仲間が何人か部屋に戻って来た。僕は、もう、シャツのボタンをほとんどかけ直していた。今回は救急車は呼ばれなかった。
その日、本来なら自動車で来る日ではなかったのだが、持って返るものが有ったので僕はカングーで出勤していた。夕方、足は思ったより酷くはなかったが、何かを杖にしないと歩けないくらいにはなっていた。その日の夕方には、しばらく会っていなかった若い女友達と約束があったのだが、電話をして延期してもらい、這々の体で帰宅。早めに風呂に入り、おそるおそる靴下を脱いでみたら、足首ではない、思わぬ所に2カ所黒血が出ていて少しゾッとしたがそんなに腫れてはいなくて、不自然な痛みもなかったのでほっとする。左側頭上部に小さめのこぶ一つ。富山の薬売りの湿布薬を貼り、昔モーターサイクルの競技に出ていた頃使っていたテーピングの残りを探し出して左足の左右の揺れを規制固定。こぶはそのまま。
次の日からはカングーで出勤するも、後は平常勤務。日曜日には美術探検1時間。そうしての、今日の月曜日だった。
静かにしていたのではなく、静かにしか出来なかったのだ。ちょうど良かったのかも。
普通の時間に起きてトイレに行き、もう一度ベッドに潜り込んで7時頃起きる。起床前血圧、本日117/77、快調。豆を挽いていてコーヒーメーカーで入れたコーヒーを小岩井牛乳でわり、半分に切って冷凍してある渡辺さんのバケットを解凍し、今日は紅花マーガリンを塗って蜂蜜をかけてユックリ食べた。食べる前にランドリーを動かしておく。iMacでこの前の重松君の音楽を聴きながら、昨日のハーフマラソンの所とティータイムを中心に河北新聞を読み、着替えや、乾いている洗濯物の仕分けや、朝の様々な家事仕事を簡単に手を抜きつつ片付け、仕上げは明美さんにお願いして、通勤自転車で七十七銀行岩沼支店に行く。呼び出しナンバ−7番で入れたのですぐ順番が来る。まず胞夫さんの口座から彼の生活費をおろし、介護施設に4月分の料金を払い込む。自分の分の生活費と、明美さんの小遣いをキャッシュディスペンサーでおろす。彼女の分は全部千円札でおろすのでやや手がかかる。ついでに、自動車の税金も銀行で払い込み。僕の2CVはもう20年も前の車なので、税は何割か加算されており、お金が足りなくて追加でおろす。ええいこうなったら、もう一気に清算だとばかりに、近くの二木の松公園で持って行った本を読んで時間をつぶし、弟の同級生のやっているM上輪業へ開店と同時によって、ここ2年は年に3回も乗らなくなっているモーターサイクルの自賠責保険を一応2年分購入。税金の支払済証とか自賠責の登録書とかは、後で決まった所にいれておこうなどと考えていると、歳を取ってからは絶対なくしたり忘れたりすることがはっきりして来ているから、最近ではとにかく面倒でも思いついた時に確実に最後まで手を入れておくことにしている。自転車で家に戻って、そのまま各々の車検証入れに各々しまう。
庭は、いい感じに夏の林の中になって来ている。若干の草取りと植木の手入れをしようと思い、庭仕事用のズボンに着替える。燃えるゴミ用のプラスティック袋を用意し折々取っていたいらない草の抜いたのや切った枝を袋につめたりしていたら、そのズボンが簡単にかぎ裂きになってしまった。下着がちょうどちらりと見えるあたり。時間もいい頃合いだったので、その穴をガムテープで塞いで明美さんを呼び、カングーで今昔庵に昼飯を食いに出る。今、金蛇水神社のボタンがちょうど見頃だとラジオで言っていたことを思い出し渋滞にはまるかと少し緊張したが、微妙に時間が早かったことと今日は月曜日だったので、今昔庵は僕らが食べはじめたら、一気に混みはじめた、というタイミングだった。
今昔庵からの帰り道にある「シマムラ」に寄って庭仕事用の長ズボンを買う。だって、たったの770円!。一体誰が何処で、このカーゴパンツを700円で売れる値段で作っているのだろう。今日一気にかぎ裂きになったこのズボンも、確かシマムラで買ったのだったのを思い出して、寄ってみたのだ。今回のはリップストップコットンの生地で、770円。
帰って、早速履き替えて庭仕事。履き心地が良いのかつい熱心に草むしりをしてしまい、こんなに熱心にすると又何か違う障害が起きそうな気がして来たので適当な所でやめて、ヤマヤに買い物に行く。コーヒー豆の挽いたの、発砲ミネラルウオーター、ウイルキンソンのジンジャーエール、ちょうど明日の分だけ切れたフルーツジュースなどを買って戻り、一枚だけのこっていた煎餅をミネラルウオーターで食べながら、昨日から始まった、相撲をテレビで見る。ホトンド極楽。そうこうしているうちに夕方になり、文句を言いながら、しかし明美さんにすっかり夕飯を作ってもらって食べ、食べ終えてこれを書き始めて、もう八時半だ。今日は早く寝よう。足の状態はだいぶいい感じになって来ている。