2008年 10月14日 秋らしい曇りの一日。高い雲の空と乾いた秋の空気。

 時間がなくて前の方のブログを頻繁には読み返していない。この前書いたように何人からかコメントが来ていることがわかったので、さかのぼって読んでみた。そうしたら、そのうちの一人は中学校の同級生の横O君からだった。

 美術館が始まると休日がすっかり変わる。何しろ就職して社会の中で働きはじめて以来ずうっと美術館だから、土日出勤月曜休みというパターンに戻ると基本に戻ったようで何か落ち着く。とはいえ、今回のように先週の月曜に開館の記念式があって次の月曜が祝日だと、ずうっと出ずっぱりで今日やっと休み。午前中、思う存分食器洗いと洗濯と掃除拭き掃除。明美さんも、僕が始めると部屋から出て来て様々手伝ってくれる。だから、一人でいるときにそれをしていてくれると、僕は休みの日に休めるのだがなあ。それから、手伝う時は邪魔になんないようにお願いね。というようにやるので、思う存分といっても、ま、適当に四角い部屋を丸く掃く。
 昼までに切り上げ、明美さんと一緒にカングーで出かけて、今昔庵(岩沼西部丘の麓の農家レストラン)でふろふき大根中心の五穀米昼食。最初今が旬のハラコ飯をと思って鳥ノ海の浜寿司(いつもハラコ飯はここで食べる)に電話したのだが、火曜日は定休日なのだった。
 食後、一緒に貞山堀の東北大漕艇部合宿所というのを探しに行く。仙台空港のそばに見つけるも、ううむ、ここからこぎ出すのかという場所だったので、少しがっかりして帰宅。煙草を飲みたくて我慢できなくなって来た明美さんをおろしてカヌーを屋根に縛り付け、いつもの阿武隈川に行く。貞山堀で漕げないかと思っていたのだ。一人でやるには乗り出しがちょっと面倒そうだった。もう少し水が多い時期にもう一度来てみよう。いつもの阿武隈川だったが、いつもよりだいぶ上流まで漕ぎ上がり、ユックリ下る。水の上から見える空を何枚か写真で撮った。ゆっくり夕食の用意をしてジャガイモの煮たのと豆腐を大根と油揚げのみそ汁で食う。今、ダライラマの声明を聞きながらこれを書いている。いい感じの一日だったんではないだろうか。
 横O君は、中学校の時の友達で、そんなに親しくはなかったけれど名前を聞けばすぐ顔を思い出せるぐらいには話をしていた。今介護の仕事をやっているという。最初、中学校の時の印象とはだいぶ違った仕事をしているように思えたけれど、ふと時間を止めて、彼の顔を丁寧に思い出してみると、中学校の頃から丁寧に人との付き合いをする人で、そうか、案外ちゃんとなるべくしてそうなっているのかもしれないなあと思った。横O君、手紙をありがとう。古い友人が介護の専門家になっていて、その上で今の僕の状況を肯定的に褒められると、すごく安心するよ。僕のおかみさんの明美さんって、あなたも知っている同級生のK生明美さんで、長い付き合いの末大学を卒業したあたりに結婚した。彼女の調子が悪くなってからも、家族の中に普通とは違う調子でしか動けない人がいると、むしろより善い生活が出来るようだと思いながらここまできた。5年前に脳内出血で倒れて幸運にも復帰できて以来、生きている実感はすごく濃くなって僕の近くにいる。生きられる所までは一生懸命生きるが、でも、人はわりと簡単に死ぬ時は死ぬ。そんな感じの毎日だ。古い友人から手紙が来て様々な覚悟の確認が起こる。