12月21日 ずうっと曇り。薄ら寒く、しかし今年は暖冬なのだなという日。

 ここしばらく、私からの電脳通信は途絶えていた。メール機能の送信は動くのに、受信がびくともしなくなったのは、十日も前のことだったろうか。そして、今日から再び、電脳通信は動き出した。手紙出したのに、返事来ないなという人がいたら、すまぬ、そういうわけだったのだ。どういうわけだったのかを以下に書こう。

 まず、二週間ほど前から、私のブログに、意見を書き込む人が急に増えた。特定の日時の文章に返事を書いてくる。このトラックバックというシステムでは、書き込まれた意見は、私の個人用のメールボックスにまず回送される。僕は、ほぼ毎日電脳をおこした朝一番に個人用電脳通信受信箱をのぞくことにしている。しかし、その日は、三日ほど覗いていなかった次の日だった。画面は出てきて、受信箱も出てきたのだが、しかし、そこまでだった。中には何も入っていない。三日も開けていなかったのだから様々なメールで一杯になっているはずの受信リストは、しばらく待ってみても真っ白のままだった。なんかいやあな感じがしますよね、こういう時って。
 何回かピーラムをしながら再起動をしても、そこは白いまま。さてみんな、どうするもんなのこういうときは。私は、静かにiBookの蓋を閉め、一日待ってみたのだった。もちろん、翌日になってもまったくなんにも変わりませんね、こういうことして(しなくて)も。
 順当な手続きとして、僕はボンダイブルーのiMacを買って以来のドリームネット(D.N.)使用者なので、次にそこのテクニカルサポートセンター(T.S.C.)に電話をすることにした。しかし、買って以来と言うことは、加入したのは十年ほど前なわけで、そのころの契約書(連絡を取るための様々な「暗号」が書いてあるヤツね)を、まず探し出して引っ張り出さねばいけないのだった。結構時間を食った。で、次に暗号が色々各種書いてある契約書を手元に置いてD.N.T.S.C.に電話を入れ、あいことば(パスワードと言ったりもする)を言って私が私だということを信用してもらい(思ったより時間は食わなかった)状況を話すと、それでは、まず、通信を預かっている郵便局側(サーバーとかいうの?)の電脳に手紙が来ている状況を見てみましょう、たぶん、私書箱がぎっちり一杯になってつまってんで動かないんじゃないかな、という答だった。そして(親切にも)、Webメールという方法で、僕の私書箱を、外から覗く方法を教えてくれた。ただ、教えてくれた時に確認されたのは、僕の電脳のOSが9.2で、電脳通信はアウトルックエクスプレスで行っていること。そしてそれらが「モデム」で外とつながっていると言うことだった。「ああ、それなら大丈夫でしょう」D,N,T,S,C,のお兄さんは元気よく確信的にそう言ってくれた。いったい何が、なぜ、大丈夫なのか、その時には、気にも留めなかったのが、私の電脳限界だったのだということは、後々わかってくる。
 彼の言ったとおりの順番で進んで、僕はD.N.のWebメールにたどり着いた。幾つかのあいことばを入れて、僕の私書箱を開いてみる。すると、開くんだなあこれが。誇らしく、ちょっと感動しながら読む。そこには、470通ほどのメールが届いていますよということがわかった。その内の10通が同じページのリストにはでている。お兄さんに教えられたとおり、まず、そのリストの表示数を10通から100通に増やしなさいという信号を送った。彼がいうには、その方が仕事が速いということだった。iBookは一瞬間をおいて(ここで、何かに気付くべきだったのだ、後の祭り)その仕事を始め、何とか(という風に、私には感じられた)もの凄い(と私には感じられた)長さの(そして、あとこのほぼ四倍の長さが続く)リストを表示し直した。メールは、最新着のが一番先頭に来るように表示されていた。各メールの頭にチェックボックスが付いていて、僕は、そこに、次々にチェックを入れていった。来ているほぼ全てが泡通信だったのだ。チェックしながらリストをしばらく進んだ頃、僕はふと不安になった。iPodに音楽をコピーしたとき、まず一気にライブラリの音源を全部入れて、不要な曲をそこから削除ようとしたとき、いっぺんにたくさんの削除をすることになって電脳のほうがギブアップしてしまったことを思い出したのだ。ううむ、私も、経験を積んできたものだ。そこで、まず削除のチェックはそのへんまでにして置いて、ここまでチェックしたメールを削除する、というのを試験的にやってみようと思ったのだ。ほんとに消えるんだろうか。で、こういうとき、みんなは、どうするのだろう?僕は、ページの先頭に戻るんだよね。そこに削除するための何かがあると思うんだよなあ。でも、ないのな、戻ってみても。ページの左隅から右隅まで(ここでやめてしまうのが、僕の電脳生活の限界なのだ、再び)くまなく探してもない。いろいろクリックしてもない。あんまりさがしすぎると、元に戻れなくなることが、僕の場合あるので、僕は軽く電脳の蓋を叩き、システム終了をして、再び静かに蓋を閉じたのだった。再び、多いねえ。
 次の日、決心し、心構えも充分に再びD.N.T.S.C.に電話を入れる。ここへのつながりは結構素速い。違うお兄さんがでた。状況を話し相談にのってもらう。電脳を立ち上げネットワークに参入し、Webメールに辿り着き僕の私書箱を開く。ここまでを、携帯電話を耳に当てながら、彼の指示と一緒に進めていく。受信リストは、昨日のままだから百通だ。いらないメールにチェックを入れてください。はい入れました。では、リストの「最後」を見てください。ええっ!最後なんですかあ?「はい、最後の所に、チェックしたメールを削除、という箱がでます。そこの所をクリックすると次に削除の確認画面がでますから、それを実行すれば削除できます。そうかあ、最後だったのかあ。なんだか疲れがどっとでて、すごく時間食ったなあ、という気分。
 これで、全ての問題は解決だ!!(再び)意気揚々と百個の泡通信にチェックを入れていく。入れ終わり、リストの最後にくっついていた「チェックされたメールを削除」をクリック。ヒヤッホウ!ガードされていない情報を今、Webの中に流しましたよ、いいですね。という警告と供に、時計が回り始める。時計はずうっと回り続ける。回り続ける。回り続ける。ね、だから、100個いっぺんにてのは、無理でしょう?と何となく思い始めるくらい時間がたった頃、画面上に、アクセスに失敗しました、何番だかのエラーが発生しました、の文字が出現。まったくなあ。わかったわかった、ここまでは上手くいったのだから、もう一回始めからやってみるよ。では、最初の画面に戻る。おお戻った。待てよ、最新着の受信メールから表示されるので、消すのが大変なんじゃないか。並べ方を変えて、古い方から表示してもらって、いっぺんに100じゃなく、古い方から10づつ消していく方が、僕の電脳にはいいんじゃないか、おお、何とすばらしい考えだろう!最初の画面には、並べ替えの選択ができる表示もでてることだし。僕は、100通表示を10通表示に戻し、しかも、古い順に並べるようにという指示をサーバーの電脳に発信した。再び、指示をWebの闇へと解き放すけどいいね、という問いかけがでて作業は開始され、時計は回り始めた、再び。回り始めた、回り始めた。このあたりで僕は、何かもう一歩踏みこんだ所に気付くべきだったのだ。しかし、時計がまわっているときに、何をどうすればどうなるのかについて、僕は、ほんとに何も知らないのだ。待つしかない。最終的に、この指示は、どこかで止まってしまって、アクセスできませんでしたの表示、再び。なんか時間食うなあ。僕は、深いため息とともに作業終了の手続きをし、静かに電脳の蓋を閉じた。いったい、この話に終わりは来るのだろうか。僕の精神衛生上、今日の報告はこの辺までにしたい。